2011年8月28日日曜日

ととはらの秋祭り

今日は8月最後の日曜日。
小峰公園に面した秋川街道から、公園のほうをながめると、なんだかいつもと様子が違う。

















ビジターセンターの裏手の、八坂神社の参道の入り口に、高い高い旗がひるがえっています。


















今日は小峰公園のなかにある八坂神社のお祭り。
昔は9月に行っていた、秋祭りだそうです。


















お昼過ぎからは、氏子まわりが始まりました。山車の上ではお囃子が奏でられ、とてもにぎやかです。

お囃子には若者もたくさん参加していました。
あきる野市ではそれぞれの地区で「お囃子保存会」が結成され、伝統芸能の継承を熱心に行っています。
八坂神社を鎮守社とする、地元 留原(ととはら)地区のお囃子保存会は、とくに活発に活動していて、いくつものお囃子コンクールでの受賞経験もあるとか。

こういう風景を見ると、昔の村里の様子を少しだけ垣間見られた気がします。
自然情報とはちょっとちがいますが、今後もこのブログで地域の歴史や文化についてもお伝えできたらと思っています。



村上レンジャー

2011年8月27日土曜日

変なヒグラシ ~その2~

みなさん覚えているでしょうか?

ヒグラシなどのセミに寄生する、
世にも奇妙な生きものの話を。
今回は8月14日に林レンジャーが投稿した、
「変なヒグラシ」のその後の話……。

実はここ数日、ヒグラシのおなかに寄生していた
セミヤドリガの幼虫をこっそり飼っていました。

ある日の朝、ふと幼虫を見るとなんだか様子が違う。


















幼虫ももともと白い綿のようでしたが、それがさらに顕著になり、
もはや完全に綿くず。それにしてもまったく動かないので、
かわいそうな気もしますが、ちょっと綿を剥いでみることに。
すると……。



















中でこの通り、立派なさなぎに変態していました。
恐らくあと数日で、羽化して成虫のガとなることでしょう。


それにしても、どうやってかセミに取り付き、体液を吸って
急激に成長し、あっという間に成虫になる。
なんとも奇妙な生きもの、セミヤドリガ。
その後の経過も報告したいと思っていますので、ぜひご覧下さい。

谷本レンジャー

2011年8月24日水曜日

屁糞蔓(へくそかずら)も……

この頃は目まぐるしく気温が上がったり下がったり、
みなさん夏バテしていませんか?

今日は生垣などでよく目に付く、
身近なつる植物を3種、紹介します。


















白く清楚な印象のボタンヅル(きんぽうげ科)。
花びらはなく、十字形のがく片と開いたおしべが
打ち上げ花火のようで華やかですよね?


















こちらはヤブガラシ(ぶどう科)。
その名の通り、やぶを枯らすほど繁茂してしまう。
みなさんのお庭の雑草としても、おなじみでは?
花のオレンジ色の部分は甘い甘い蜜で、
たくさんの虫が訪れます。
ただし、スズメバチなどにとっても大好物なので、
やはりお庭には向かない花ですね。


















最後はこちら、フリルのようできれいでしょう?
なのに名前はヘクソカズラ(あかね科)。
草をもんだときの臭気のせいで、こんな名前に……。
気の毒だと思った人は、「サオトメカズラ」や
「ヤイトバナ」など、別名で呼んであげてください。

ちなみに、
「ヘクソカズラも花盛り」なんて言葉もありまして。
いやな臭いで好かれないこの植物にも、
愛らしい花を咲かせる時期があることから
「器量の悪い娘でも、年頃になればそれなりに魅力がある」
という意味らしいですが、さて……。

……信じるかどうかは、あなた次第です。

谷本レンジャー

2011年8月14日日曜日

変なヒグラシ?!

こんにちは。
暦では「立秋」を過ぎましたが、夏真っ盛りです。
相変わらず、セミの声が小峰公園を埋めつくしています。
朝方、夕方にカナカナカナ・・・と少し物悲しい声で鳴くヒグラシ。 
・・・ですが、なんだか様子が変なヒグラシを見つけました。




















写真のヒグラシのお腹まわりに注目です。
なにやら白い物体がくっついています。
なんだろう・・?と色々な想像が膨らむと思いますが、
これは「セミヤドリガ」というガの幼虫で、このヒグラシに寄生しているのです。
セミの体液を吸って幼虫期を過ごしています。
ヒグラシの成虫自体の寿命がおよそ2週間ほど。
その短い間で成長し、違う場所でサナギになるそうです。

本当に色んな生き物がいるものですね。
セミに寄生する生き物というのは世界的にも珍しいそうです。
後々、サナギも探してみようと思います。みなさんもそんなヒグラシ探してみてはいかがですか?

林レンジャー

2011年8月12日金曜日

たまごとそうめん

残暑きびしいこのごろ、ひなたを歩くとつよい日差しと高い湿度にくらくらとしてきます。
そんななか、ふうふうと見晴台までのぼってみると、こんなものが地面からつき出していました。






















たまごの殻から口紅のさきっぽがつき出ているような?
とてもあざやかな赤が目をひきます。
じつはこれ、出たばかりのキノコ(幼菌と言います)。まわりをみるとぽこぽこと同じキノコが生えていました。






















グリム童話にでもでてきそうな、毒々しい赤いキノコ。
根元の「つぼ」と呼ばれる白い部分、これがたまごの殻のようなので「タマゴタケ」という名前がつけられています。

けやき広場におりてくると、こんなものも。






















広場の片すみににょきにょきと、よくよく見ると沢山生えています。
これは「シロソウメンタケ」 たしかに‥そうめんのように白くて細長い形、なんとも面白い名前をつけたものです。

湿度たっぷりの小峰公園、キノコの生育に最適なようで、林のなかではこのほかにもいろいろなキノコを観察できます。
ちなみに小峰公園は動植物を採ることはできませんが、キノコも同じです。
採るのではなく、撮るだけにしてくださいね。

ひなたを避けて、木陰でキノコウォッチング、してみてください。



村上レンジャー 

2011年8月7日日曜日

にぎやかな森

こんにちは。青い空と入道雲と暑い日差し、絵に書いたような夏日ですね。
そんな夏真っ盛りの日、小峰はとても賑やか。
どういう風に賑やかかというと、、やはりセミの鳴き声ですね。
園内でセミの声がしないところはありません。
森を歩くと、人の気配に驚いたセミが飛び立っていく、なんてことがたくさんあります。

なかでもよく見かけ、よく聞こえるのはこちらのアブラゼミ

アブラゼミ



















ジリリリ・・・ と夏の暑さを実感させてくれる声が、園内どこにいても聞くことができます。
その他、ニイニイゼミ、ミンミンゼミ、ヒグラシなどの声も聞けます。

前々回のヒメギスと同じように、鳴くのはオスのみでメスへのアピールで鳴いています。
オス同士競いあって鳴いていますが、その反面、天敵に見つかりやすい、という難点もあるようです。セミの天敵は主に鳥です。

アブラゼミを捕食するスズメ



















スズメがアブラゼミを捕まえる場面に遭遇しました。
子孫を残す事と食べられてしまうことが背中合わせ。必死に生きているのだなあ、と実感させられました。
そう思うと、にぎやかなセミの声が一味違って聞こえてくるのでした。

今、ビジターセンター館内では、セミに関する展示を実施しています。
セミのぬけがらで種類がわかるようになりますよ~~。


林レンジャー

2011年8月3日水曜日

三ツ星レストラン

小峰公園の雑木林が、にぎやかになってきました。
夏の昆虫界のメインイベンターたちが、満を持しての登場です。

















樹液レストラン

こんな風に、公園内のいくつかの樹液レストランには、甘い蜜の
フルコースを求めてたくさんの昆虫たちが集まっていますよ。

















子供たちの憧れ・カブトムシ(♂)

でも、このレストランにやってくるのはカブトムシやクワガタムシだけじゃない。
甘くて栄養たっぷりの樹液は、どの昆虫にとっても貴重な食料源。
カナブンやカミキリムシ、チョウやガ、スズメバチなどなど、
本当にたくさんの昆虫が訪れる、ミシュランも真っ青の人気レストランなのです。

















樹液を吸いにきた国蝶・オオムラサキ

そしてよく観察していると、このレストランに訪れる客の中にも
序列があるのがわかります。一番強いのは、誰だろう?
やっぱりカブトムシ? 怖い怖いスズメバチは、何番目?

ビジターセンター内でも、期間限定の樹液レストランを開業しています。
樹液に関するあれこれを、わかりやすく展示していますので、
ぜひ観察してみてくださいね。

谷本レンジャー