2014年7月30日水曜日

涼感を楽しむ


先日の魚釣り催事でご協力いただいた 秋川漁協を訪ねると、
懐かしく 涼やかな飾りが 出迎えてくれました。


 それが こちら  ↓↓↓






























              「 やつがしら 」



これは 観賞用の里芋です。


多摩地域では昔から 里芋の栽培が行われています。

以前は 夏場に 「八つ頭」という大型の里芋を水鉢にのせて、
涼感を楽しむ光景が 多くの家で見られました。

最近は なかなかお目にかかれない その観賞用里芋を
秋川漁協の事務所で発見!







↑↑↑ これは小峰ビジターセンターの やつがしら。

涼やかさの演出と 多摩の里山文化の紹介として、
玄関窓口横に展示しています。





夏の暑い小峰公園にお越しの際は、
ビジターセンターにも お立ち寄りください。

まずは 昔ながらの視覚的涼感で、
皆さまをお迎えいたします。




 鈴木 レンジャー (たか)



2014年7月29日火曜日

金剛の滝のイワタバコ

7月ももうすぐ終わりですね。もうすでに夏休みの楽しい思い出
はできたでしょうか?
先週のような蒸し暑さはおさまって、ここ数日はからっとした空
気になりました。森の木陰でうける風はとても心地いいものです。



























ここは先々週のレンジャーブログでも紹介した今熊山の麓にある
「金剛の滝」です。夏休みに入ると、連日多くのハイカーが小峰ビ
ジターセンターに立ち寄り、この滝を目指します。深く狭い谷間に
あるため日中でも薄暗く、暑さから逃れるのにはちょうどいい場
所のようですね。滝からくる風がとても爽やかです。

現在、正午すぎから15時ぐらいの谷間に日が射し込むわずかな間、
神秘的な光景に出会うことができます。





















これです!
日射しをうけて、薄暗い谷間の中で浮き立つイワタバコのピンク色
の花です。今まさに見頃をむかえています。





















岩壁に咲くものは、花ぶりも見事です。
この夏の思い出の1ページに「金剛の滝のイワタバコ」はいか
がでしょうか?

畑田レンジャー

2014年7月28日月曜日

勇気ある撤退


北陸・東北地方の梅雨明け発表があり、
これで日本全国が 夏本番となりました。

あきる野・五日市でも梅雨明け以降 暑い日がつづき、
夏色がますます濃くなっています。




そんな 暑く夏色の濃い昨日 7月27日(日)、
小峰公園近くを流れる 秋川をフィールドに、公募行事を催しました。


“ 里山暮らし体験  昔ながらの魚釣り! ”


「自分で釣竿を作り  エサを捕まえ  魚釣りを楽しむ」  をコンセプトに、
昔の里山の子どもたちと同じように、
素朴な夏の遊びを体験するという企画です。

小学3年生の子どもから 70代のむかし子どもだった方まで、
幅広い年齢層の参加者で催行されました。




まずは釣り道具作りからスタート。

小峰公園内で篠竹を切り出し オリジナル釣竿を作ります。
その釣竿に細い糸と小さな釣り針をつけて仕掛けは完成!
ウキもオモリも なーんにも付けません。

こんな簡素な道具で 本当に魚が釣れるのか、
参加者は半信半疑の心持ちです。





午後からは秋川へ移動して 実際に釣りをやってみました。


釣り方は多摩地方で 昔から行われてきた伝統の“あんま釣り”。
浅い流れに立ち入って エサを流して 魚を誘い釣る方法です。

参加者は川底にいる川虫を捕まえて 釣り針に付け、
釣竿を前後に動かしながら 魚が食いつくのを待ちます。

やがて辺りから 「釣れたーッ!」 の声が 次々と聞こえ出しました。



ほらね、本当に釣れたでしょッ!
昔の子どもたちは皆、こうやって釣りを楽しんだんだよ。





オイカワやウグイ、カワムツなどの小魚のほか、
15㎝くらいの若アユまで釣れました。

釣りあげられた魚たちは 水槽に入れて観賞。
ちょっとした 秋川水族館 の感じです。



そうこうしているうちに 辺りは黒い雲で覆われ、
雷鳴がとどろき 稲光の閃光が走るように・・・


 さぁ、帰ろう!


子どもたちは 非常に残念がっていましたが、
今回の魚釣りは ここで終了です。





解散後、 親子で参加された あるお父様から、
スタッフに声をかけていただきました。


「昔ながらの魚釣りを 子どもはとても楽しんでいました」

そして・・・

「子どもに勇気ある撤退を経験させていただき、ありがとうございました」  と。



自然の中で過ごす時間は、いつも楽しさと危険が隣り合わせ。
その危険を見極めるチカラ、その恵を享受する術を伝えてゆくことも、
わたしたちレンジャーの仕事なのかもしれません。




 鈴木 レンジャー (たか)



2014年7月24日木曜日

タンポポの綿毛?

小峰公園も夏本番となりました。公園内の巡回中に、生きも
のの写真撮影のために地面にしゃがみ込んだのですが、顔
から汗が滝のように出て止まりません。野外で活動する際は、
水分が手放せない季節です。



















木々の葉が緑濃く生い茂る小峰公園内…
薄暗い森の低い場所にある葉っぱの上で、2センチぐらいの
このようなふわふわしたものをみつけました。季節外れのタン
ポポの綿毛でしょうか?



















下からのぞくと、セミに似た顔つきの小さな昆虫でした!この
昆虫の名前は「アミガサハゴロモ」で、まだ幼虫です。野鳥の
羽毛のようにもみえるこの白い毛は、幼虫の間だけ身にまとっ
ています。この昆虫は危険を感じると、バッタのようにピンッと
高く飛び跳ねますが、落下する時は、この羽毛は開いたままな
ので、まるでパラシュートの降下のようにみえて、とても興味深
いです。

このようなユニークな昆虫に出会えるのも、夏の里山の魅力
です。熱中症の対策を充分にして、ぜひ小峰公園に遊びにき
てください!

畑田レンジャー

2014年7月22日火曜日

モヤモヤ感



関東甲信地方の梅雨が明けました。




小峰公園も 朝から夏の空が広がっています。

さぁ、夏の開幕で~す!




このところ 週一くらいのペースで、金剛の滝を訪れております。

登山道を汗だくになりながら進んで行くと、
冷涼な風とミストを吹かせる滝が待っていてくれます。
まさに 天然のクーラーと言われるように、
滝に近づくと みるみるうちに汗がひいて 気持ちイイこと!




滝周辺の岩壁には イワタバコの花が見られるようになってきました。

今月末頃には 岩壁のそこここが 紫色に変わることでしょう。




久しぶりに小峰公園から 正規のルート? を使って 金剛の滝まで歩くと、
滝目前の足場の悪い坂道で、あるゴミが視界に入りました。

そのゴミに近づいて見ると・・・




あららッ!

ビジターセンターで発行している「小峰だより」ではありませんか。

しかも よく見ると 金剛の滝を紹介した今年の4月号。
雨に打たれ 草が成長して突き破ってる。



たぶん・・・   推測ですが・・・

誰か この記事を読んで、滝を見に来たのでしょう。
そして 足場の悪いこの場所で 態勢が崩れた際に、
カバンやポケットから 落ちてしまったのかも。

状況からして 故意に捨てられたようには思えません。
                    (思いたくありません)




小峰だよりを手にとって 目を通していただき、
紹介記事を頼りに 現地を訪れてくださったことは、
ビジターセンターとして これほど嬉しいことはありません。

でも、その方と自然との仲立ちをしてくれた小峰だよりに、
このような姿で再会するのは衝撃的です。


今回の出来事は なにかモヤモヤ感が残ります。
よろこんでいいのか?  悲しいものなのか?

なんでしょうかねぇ  このモヤモヤ感。


このゴミは、 いや、この小峰だよりは、
ちゃんと回収させていただきました。




 鈴木 レンジャー (たか)


2014年7月20日日曜日

コヤマトンボ

連日不安定な天候で、小峰公園でも雷雨が続いています。

生きものが活発に活動する小峰公園の夏…
野外に出なくても、小峰ビジターセンター内で作業している
と、いろいろな生きものに出会うことができます。暑さをしの
ぐために、涼しい建物の中に入ってくるのでしょうか?

昨日、「トイレに大きなトンボがいますよ。」と来館者が教えて
くれました。スタッフが同行すると約8センチほどの黒色と黄色
のしま模様のトンボがとまっていました。


このしま模様をみると、多くの方がオニヤンマを想像される
と思いますが、このトンボの名前は「コヤマトンボ」で、おそらく
メスだと思われます。小峰公園内では初確認で、東京都でも絶
滅危惧種に指定されている貴重なトンボです。

以下はコヤマトンボの特徴です。



















翅胸(しきょう):オニヤンマと違って、黒い模様に光沢があります。



















翅(はね):つけ根の部分が黒くなります。個体差はありますが、
      翅全体がうすい褐色に染まります。(メスの特徴)
      ※オスの翅の色は、ほぼ無色透明です。
      


































顔の模様、複眼(写真上:コヤマトンボ 下:オニヤンマ):
   顔の黄色い線の模様は、コヤマトンボは一本だけです。
   同じ緑色の複眼でも、オニヤンマの方が色が明るいよう
   です。


一見、同じようにみえる自然や生きものも、少し見方を変えれば、
思いがけない出会いがあります。みなさんも夏の小峰公園で、自
分だけの自然の楽しみ方を、発見してみてはいかがでしょうか?

畑田レンジャー
    
   

2014年7月17日木曜日

里山ミニ教室 7月の報告&8月の告知


小峰公園では、毎月第一日曜日に「里山ミニ教室」
というイベントを開催しています。

当日申し込み制で気軽に参加でき、
午前の部はガイドウォーク、午後の部はクラフトと、
それぞれの体験を通して小峰公園の
四季折々の自然にふれることができるイベントです。


今回は、7月の里山ミニ教室の様子をご報告します。


ガイドウォーク「初夏の森の生きもの探検」

もうすぐ夏休みということで、
おうちの近くやお出かけ先などさまざまな場所で、
いろいろな生きものを見つけられるように、
生きもの探しの視点を持つ練習をしました。



















植物の花や葉っぱの裏、地面などを観察し、
クサグモやコガネグモ、さまざまな昆虫などを見つけました。



















クラフト「竹でつくろう 水鉄砲!」

竹の水鉄砲づくりを通して、
竹の生態や里山の環境問題について考えました。



















竹と人間が良い関係でいるには
どうしたらいいのかクイズを通して考えたあと、
実際に竹林へ行って、今回の材料を切り出します。



















竹をのこぎりで切ったり、
節目に穴を開けたりといった作業を経て、
最後は完成した水鉄砲を試し打ち!



















次回の里山ミニ教室は、8月3日(日)開催です。

ガイドウォーク「セミしぐれの里山を歩こう」
クラフト「アイ染めの暑中見舞いを作ろう」

参加方法・条件など詳細は、以下のURLをご覧ください。
http://komine-park.sakura.ne.jp/mini_class.html

皆さまのご参加を、お待ちしています!


伊藤レンジャー

2014年7月16日水曜日

カナカナ


梅雨明けが 近いかな?


夕暮れの残照につつまれる小峰公園は
ヒグラシの声が 響き渡ります。

     カナカナカナ・・・

           カナカナカナ・・・

確かに そこにいることはわかりますが、
夕闇が迫るほどに 見つけることは困難になります。





では 明るい日中にその姿をひと目見ようとしても、
手掛かりとなる鳴き声は どこからも聞こえてきません。

昼間のヒグラシは どこにいるのか、

あなたは わかりますか?





どこに いるかなカナカナ・・・








見つけられるかなカナカナ・・・









明るい日中や雨降りのときには、
スギやヒノキなどの 少し暗めの森の中で、
静かに ジーッとしています。

透明な翅、 枯れ草色のからだ、カビが生えたような青銅色の顔。

完璧なくらい 樹皮やまわりの環境に溶け込んでいますね。


そして 辺りが程良く 暗く(明るく)なってくると 一斉にカナカナカナ・・・ と 。

小峰公園では 里山尾根やホオジロ尾根で 出会うことができます。




 鈴木 レンジャー (たか)


2014年7月15日火曜日

谷戸田の手入れを行いました。


日中に鳴くニイニイゼミの数が日ごとに増し、夕方にはヒグラシ
の「カナカナカナ…」という鳴き声も小峰公園内から聞こえてきま
した。





















雲が広がりやすく、ジメジメとした梅雨の気配はまだ残ります
が、時折、雲から顔をだす夏の太陽の日差しは、そんな梅雨
の不快感を吹き飛ばしてくれます。「もう間もなく夏本番だ…」
と胸が高鳴る瞬間です…


先日、小峰公園では公募イベント「谷戸田の稲作」の4回目が行われました。
前回の田植えから、半月ほどしかたっていませんが、稲間や
畦などには、早速雑草が繁茂しはじめていました。





















小峰公園の稲作体験では、除草剤を使用しないためコナギや
イボクサなどの水田雑草が、どんどん増えます。今回は、草と
りを中心とした田んぼの手入れが主な作業です。





せまい稲と稲の間…そして、ぬかるんだ泥…田んぼの草取り
は歩くだけでも大変なようです。しかし、泥の中を歩いたり、手
でかき混ぜたりしてやわらかくすることは、「らちがき」といって
稲の根の張りをよくします。少し地味な作業ですが、おいしい
お米に育てるための大事な仕事です。





















作業の合間に、たくさんの生きものに出会えるのも谷戸田の
稲作の大きな魅力です。カエルやオタマジャクシ、トンボのヤ
ゴ、水の上を歩く小さなクモ…「これ、なぁに? 」好奇心旺盛
な子供達は、生きものをみつけるたびに、目を輝かせてレン
ジャーに名前を聞きにきます。





















こちらの女の子は、可愛い顔のような模様がある葉っぱをみ
つけてご満悦です。自然の見方や魅力の感じ方も子供によっ
て色々と個性があるようですね。





















草とりの後は、休憩を挟んで田んぼの「畦塗り」を行ないまし
た。水がぬけないように、小さなスコップやシャベルで泥を集
めて畦に塗りつけていきます。しかし、なぜこの作業が必要
なのでしょうか?実は田んぼには畔に穴を空けてしまう生き
ものがいます。




















畦に穴を空ける犯人は…このアメリカザリガニです!子供達
には人気のある生きもののようですが、お米作りの当事者と
なると困った生きものに感じてしまいます。





















手入れをすべて終えた田んぼです。雑草もなくなり、田んぼが
すっきりしたので、稲が元気になったようです。これから太陽の
光をたくさん浴びて、すくすくと育ってくれることでしょう!

小峰公園にお越しの際は、ぜひ田んぼにも立ち寄ってみて下
さい。

畑田レンジャー


2014年7月12日土曜日

金剛の滝 (幻の滝?)



小峰公園を起点として ハイキングを楽しまれる方に
季節にかかわらず人気なコースがあります。
それは 金剛の滝を訪れるコースです。

台風通過後の現状確認と取材業務を兼ねて、
金剛の滝へ行ってきました。





「金剛の滝」は 上下ふたつの滝で構成されています。

岩壁の狭い回廊を進むと まず現れるのがこの滝、
下段にある「雌滝」です。

この滝の右壁に人ひとりがやっとくくれるトンネルがあり、
その先にもう一つの滝があります。






これが「雄滝」です。

台風通過直後ということもあり、
水量豊富で 普段より迫力がありました。


そして この日の金剛の滝は、
普段は見せない もうひとつの姿を見せてくれたのです。



それが こちら・・・





雌滝の左上方の岩壁に もうひとつの滝が現れました!






関係者? の間では 「第三の滝」と呼ばれ、
台風や大雨の直後にだけ現れる 幻の滝です。

今回の台風がもたらした大量の降雨で、
立派な滝の姿を見せてくれました。






ただし、お気軽には その姿を拝むことはできません。

滝はもちろんのこと 沢の水量も増えていて、
しっかりとしたトレッキングシューズなどの足もと装備でないと、
滝の見える位置まで近づけないのです。

そして 容易に近づけるようになったときには、
水量が減って 幻の滝は姿を消してしまいます。






幻の 第三の滝は 週明けくらいまでは
その姿を見せてくれているような気がします。

あくまでも そんな気がするだけですよ。
お約束は できませんが・・・


この幻の滝を見に行かれる方は、
足もとに気をつけて 尋ねてみてください。



 鈴木 レンジャー (たか)



2014年7月11日金曜日

台風一過

関東地方にも接近した台風8号でしたが、小峰公園では特に
大きな被害はありませんでした。






















本日はご覧のとおり、台風一過の爽やかな青空!見上げてい
るだけで、清々しい気持ちになりそうです。





















天気はまだ不安定なようで、午後からは雲が広がり、時折、
雨粒が落ちることもありました。しかし、山の上の雲は、すっ
かり夏らしさを感じるものでした。





















雨上がり直前の蒸し暑さは、昆虫にとってはとても心地の良い
もののようです。リョウブの白い花にアオスジアゲハが蜜を吸い
にやってきました。とてもいきいきと、花から花へと飛び回ってい
ました。


夏の蒸し暑さは少しつらいものですが、生きものが元気に活動
する小峰公園にぜひ遊びにきてください!

畑田レンジャー


2014年度第1回ボランティア・スキルアップ研修会を開催しました!



先週末、小峰公園で活動しているボランティアさんに向けた
スキルアップ研修会を開催しました。

小峰公園内では、
年間を通じてさまざまな自然体験活動を行っており、
それらのサポート役として、ボランティアさん達が
活躍しています。


今回のスキルアップ研修では、
自然体験活動には必須となる野外での安全管理についての
レクチャーを行いました。

まずは、基礎的な野外救急法について。


















職員や経験豊富なボランティアさんが主体となり、
止血法などの練習を行いました。


次に、館内のAEDの場所や動作の確認について。



















最後に、具体的な各場面における危険予知トレーニングも。



















これまでの活動で実際に体験した「ヒヤリ・ハット事例」や
各行事におけるよりよい進め方についてなど、
改めて話し合うことで、安全意識の共有ができました。


また、午後はワラぞうり作りの練習をしました。

今回はまだワラを収穫していないので、
ビニール紐での練習です。



















先輩ボランティアさんが後輩ボランティアさんへ
作り方を伝授し、和気あいあいとした、
なごやかな雰囲気の中で行われました。

ボランティアさん達からは、
「今回の研修で学んだことを、ぜひ活かしていきたい」
などといった感想をいただきました。


ブログをご覧の皆さまも、
今後の小峰公園ボランティアの更なる活躍を、
ぜひお楽しみにしていてください。


伊藤レンジャー