2011年5月17日火曜日

アリとスミレ

こんにちは。村上レンジャーです。
初夏、日に日に草丈が伸び、毎日園内を歩くたび景色が変わっていきます。
3月には小さく可憐に咲いていたスミレも、今では葉っぱがこんなに大きくなりました!


これは「アオイスミレ」の葉。よくよく見ると、根元に果実(実)がついていました。
先日、これをひとつ失敬して、ある実験をしてみました。

果実のなかのタネを、アリの巣のそばに置いてみると…

















すぐさまアリが巣の中にひきこんでいきました!

















このアリは自分より大きいタネを持ち上げダッシュ!

アリがくわえているスミレのタネの透明の部分、じつはこれがアリの大好物。
いろいろな脂肪酸や糖をふくんでいて、アリにはごちそうの匂いがするようです。
スミレ以外にも、カタクリやムラサキケマンのタネなどもこれをつけています。
(エライオソームや種枕(しゅちん)などと呼ばれています)。

なんでこんなものをつけているのか…は、もうおわかりですか?
こんな風にタネに「えさ」をつけることで、アリにタネを運んでもらい、より遠くに子孫を広げよう、という植物の戦略なのです。

















こんなところにスミレが咲いていたら、アリのしわざかもしれません…。


村上レンジャー