2011年9月28日水曜日

ステゴビル

こんにちは。
最近小峰は、秋の気持ちのいい陽気のおかげか、たくさんの方が自然観察にいらっしゃっています。そんななか多いお声が「ステゴビルどう??」「ステゴビル咲いてる?」
などなど大人気のステゴビル!ということで現在のステゴビルの状況をご案内します。
今現在、見頃をむかえていて、7~8株ほど咲いています。
場所は杉の木広場です。






















とても可憐で可愛らしい花なのですがステゴビル(捨子蒜)という名前がついています。
この植物はニラやノビルなどと似ていますが、あの特有の香りはなく、食用として使われることがなかったようです。これらの植物を総称して蒜(びる)と呼びます。使われず捨てられてしまう蒜、ということでステゴビルという名前がついたそうです。
食用としては使われないにしても、今、私たちの目を楽しませてくれていますね。

林レンジャー

2011年9月26日月曜日

マルハナバチ

こんにちは。
ご報告遅れましたが、先日の台風では大きな影響はありませんでしたが、一部、倒木などにより、通行止めの箇所があります。場所は八坂神社付近、ホオジロ尾根の一部です。詳しくはビジターセンターまでお問い合わせ下さい。(042-595-0400)
さて、最近はツリフネソウが見頃を迎えています。谷戸田の奥にある「緑の回廊」にたくさん咲いています。
そこにたくさん集まる昆虫がいました。トラマルハナバチです。花の中にすっぽり体をいれて花の蜜を吸っています。






















もうひとつ、トラマルハナバチが好きな花があります。キバナアキギリ。




















見事に体をすっぽり入れていますが、足に注目です。
右後足に黄色い塊があるのわかりますか?
これは花粉団子という花粉の塊なのです。
これを巣に持ち帰り、蓄え、保存食として使うようです。

そんなマルハナバチの営みが今、観察しやすい時期です。
秋の気配を楽しみながら、生き物観察してみてはいかがですか。

林レンジャー

2011年9月20日火曜日

モズの高鳴き

こんにちは。
台風が近づいている影響で今、小峰は雨が降ったり、止んだりを繰り返していて、
空には、暗い雲が広がっています。明日には強い雨も降るそうですね。
そんななか、雨に負けじと元気に鳴いている生物がいます。
モズです!


モズ





















昨年も紹介しましたが、毎年この「キイーキイキイキイ」と
秋の風物詩でもあるモズの高鳴きを聞くと
秋が来たなあ、、としみじみします。


林レンジャー

2011年9月17日土曜日

実はカワイイ?!

こんにちは。
今日はレンジャーの間で流行?!している生き物を紹介します。
それは・・「クモ」なのです! クモというと"恐い"、"不気味"などネガティブな印象をお持ちな方も多いかと思います。
しかし、今日紹介するクモはとてもカワイイ?!のです。もしかするとクモの見方が変わるかも知れません。

では、まずはミスジハエトリグモ


ミスジハエトリグモ






















とっても目がつぶらでカワイイですよね。

次はオスクロハエトリ。
オスクロハエトリ
























クモのなかでも、ハエトリグモというどれも5~8mmくらいの小型のクモです。
糸で網を張らず、ピュッと素早く飛んで、自分と同じくらいの大きさの虫などを捕らえて食べます。
昔、クモは農業における害虫を食べるので、益虫とされ、クモを嫌がる人は少なかった、といわれています。
いつからか、クモは嫌われがちですが、じっくり見てみると、可愛かったり、面白かったり、不思議だったり、色々な発見があり、もしかすると貴方もハマってしまうかもしれません(笑)
ぜひ、お家の周りでも探してみてください。



そしてそして、、そんなクモにハマってしまうきっかけに成り得る観察会が予定されています。
「里山のクモ観察会 クモの不思議な世界」
10月23日(日) 
講師に新海栄一先生をお招きし、クモの不思議な世界に迫ります。
詳しくはこちら→小峰ビジターセンターHP_自然体験教室
ご興味があればぜひ、ご参加ください。

林レンジャー

2011年9月13日火曜日

谷戸田のはたらきもの

きのうは中秋の名月でしたね。東京はよく晴れて、まんまるの満月を見ることができました。まだまだ昼間は暑くて大汗をかいていますが、季節はもう秋なんですね。

小峰公園の谷戸田でも、着々と稲穂が育っています。稲穂に触ってみると、ぎっしりと中身がつまっています。






















そんな谷戸田は、、おとといからとてもにぎやか。





















ビジターセンターで行っている、「谷戸田の稲作」イベントで作った案山子(かかし)たちです。
お米が大好物な鳥たちから秋の収穫をまもるために大切な谷戸田の相棒です。

ワラのおさげをつけた可愛いのや、半そでの元気なの、シャツとパーカーでかっこよくコーディネートされたのなど、それぞれ個性的な案山子が並びます。
そして最前列の彼は‥






















見るからに、勤勉に働いてくれそうな出来ばえ。
しっかりとネクタイをしめて、谷戸田を守っています。

ちなみに案山子(かかし)は、魚の頭や毛などを燃やしてくさい臭いで鳥よけをしていたのが始まりだそうで、「かがし(嗅がし)」がなまって、「かかし」になったと言われています。

来園された際には、にぎやかな秋の谷戸田の風景を楽しんでいってください。


村上レンジャー

2011年9月6日火曜日

秋の鳴く虫

こんにちは。
大きかった台風も過ぎ、小峰はすっかり秋の様相を呈しています。
気温もだいぶ落ち着き、日中はとても過ごしやすいです。
まだツクツクボウシ、ミンミンゼミなどが夏の名残りを漂わせていますが、
徐々に勢いを見せているのはコオロギや、キリギリスなどの秋の鳴く虫たちです。
今日はふれあい広場で3種類ほど写真が撮れたので少し紹介します。

まずは秋の鳴く虫の代表格 エンマコオロギです(写真はメスなので鳴きません。。)

このように、広場の芝のなかにいます。歩いていると急にコオロギが飛び跳ねるので、
よく見ることができます。とても観察しやすいです。

クサヒバリ
クサヒバリは広場の縁のアジサイの葉の裏にいました。フィリリリリリ・・・と昼も夜も鳴き声が聞こえます。

マダラスズ

マダラスズはふれあい広場の芝のなかにいます。耳をすますとジー・ジーと鳴いています。
この他にもリッ・リッ・リッ、やジリリリリ・・ などなど、様々な鳴き声が聞くことができます。
今、ビジターセンターでは季節展示「秋の鳴く虫大集合!」を開催しています。
今現在、22種類の鳴く虫を飼育しながら展示しています。普段見ることが難しい種類もたくさんいますよ。鳴き声や姿から種類の名前を知ることができます。
みなさん、小峰で秋の鳴く虫を一緒に楽しみましょう!!

林レンジャー


2011年9月2日金曜日

変なヒグラシ ~その3~

林レンジャーが報告した、ヒグラシに寄生するガの話の続きです。
小学生が夏休みの宿題に追われていたおとといの8月31日、
ついにさなぎが羽化しました! でてきた成虫がこちら↓


















セミヤドリガ(セミヤドリガ科)

大きさは1センチにも満たない、小さな小さなガ。
しかも色も黒くて地味~な感じ。……期待はずれでしたか?

でも、短命のセミに寄生するという戦略を選んだ以上、
いかにすばやく成長するかが、この種にとって重要だったはず。
だとすると、やはり体を大きくするべきではなかったのでしょう。

さらにこのガには口吻がなく、つまり成虫になってからは餌も摂らずに
生殖のためだけに生き、ものの数日間で一生を終えてしまいます。
しかも「処女生殖」、つまりメスだけで子供を産むことができ、
事実ほとんどの成虫がメスであり、オスはごく稀にしか見つからないそうです。

これらを考えると、「いかにすばやく成長し、生殖するか」という一点のみを
突き詰めて進化してきた結果が、このガの小さな体に詰まっているように思えます。


















たまにはそんな見方で自然観察してみるのも、面白いかも知れません。

谷本レンジャー