初冬の小峰公園。
冷たい北風が吹く度に、枯れ葉がはらはら舞い散ります。
全ての葉が散ってしまう前に、
今秋の思い出をもう一度振り返ってみましょう。
辛子色と煉瓦色、それぞれ鮮やかに色付いた二本の木。
色こそ違えど、実はどちらも『ケヤキ』の木なのです。
地面に降り積もった枯れ葉がその証拠です。
よく見てみると、どの葉も同じ形をしています。
続いては、対照的な二本の木。
綺麗な朱色に色付いている樹木の後ろに、
スカスカになった箒のような樹木が立っています。
右手前の紅葉している木が『イタヤカエデ』、
左奥の葉が落ちスカスカになっている木が『ホオノキ』です。
(ホオノキの葉とその上に落葉したイタヤカエデ)
ホオノキの葉はとても大きく、晩秋に尾根を歩いていると
落葉する音がバサリ、バサリとまるで足音の様に
聞こえてくるほどです。
葉が大きく重いからこそ、ホオノキは
イタヤカエデよりも早く落葉してしまうのかもしれません。(宮嶋の主観です。)
それではなぜ同じ“紅葉”なのに
こんなにも木ごとに色合いが違うのでしょうか?
(同じ木の中に赤色・橙色・緑色が同居するオオモミジ)
植物が秋に色づくのは、緑の色素である「クロロフィル(葉緑素)」が
分解され、黄色い色素の「カロチノイド」だけが残ったり、
赤色の色素である「アントシアニン」が合成されるから。
その2つの成分の割合により、色づき具合が変わってきます。
なので、日当たり具合によって同じ種でも色合いが変わったり、
また、同じ場所に生えていても種類によって色づき具合が変わってきたりきます。
紅葉の秋、そこでは確かに樹木の「個性」が現れていました。
※写真は2016年11月下旬頃撮影したものです。
宮嶋レンジャー