2017年12月27日水曜日

年末年始の休館日のお知らせ

平素より小峰ビジターセンターをご利用いただき
誠にありがとうございます。

当館は2017年12月29日(金)~2018年1月3日(水)の間、
年末年始の休館日となります。

この期間は駐車場も閉場となりますので、ご注意ください。
なお、小峰公園は期間中も、ご利用いただけます。

園内をご利用の皆様には大変ご不便をおかけいたしますが、
何卒ご理解いただきますようお願いいたします。





森の木々の葉が落ち、野鳥観察におすすめの季節です。
写真は、園内で最近よく目にするモズです。

日当たりの良い南向きの斜面によくいて、木の上から
地面をにらみつけています。
おそらく、落葉の中にいる昆虫をねらっているのでしょう。


寒さが厳しい自然の中でも、たくましく生きぬく鳥たちの
姿をみることができます。
年が明ければ、少しずつ春の足音が聞こえて来るはず・・・


来年も小峰公園をよろしくお願いいたします。

畑田レンジャー

2017年12月25日月曜日

谷戸田の稲作(8)「お米をおいしく食べよう」


小峰ビジターセンターでは、年間を通して一連の稲作を体験し、

”つくって食べる”よろこびを味わうプログラム「谷戸田の稲作」を

小峰公園内の谷戸田にて行っています。


今回は、12月10日(日)に行われた「第8回 お米をおいしく食べよう」の

様子をご紹介します。


当日は、雲一つない青空で絶好の野外活動日和となりました。

まずは前日から吸水させていたもち米を軽く洗い、ぬかを落とします。


農薬を使わず育てたお米には黒い粒が多く入っています。

これは、成長過程でカメムシなどに食べられてしまった痕。

「黒い粒がたくさんあるってことは、

その分生きものがたくさんいるってことなんだね。」

しかし、黒い粒は食感が悪くなってしまうため、

みんなで一粒ずつ丁寧に取り除きました。


ぬかを落としたもち米は、薪ストーブとせいろを使って蒸しました。


蒸しているときに、蓋の間からもれる蒸気の

おいしそうなお米のにおいに、お腹が鳴ってしまいます。

「あ~早くたべたい!」

「食べる前につかなきゃ食べられないよ。」

という会話が聞こえてきました。


もち米が蒸せたら、臼と杵で米粒を潰していきます。

手早く準備し、2本の杵で息を合わせてもちをつく大人の姿に

子どもたちは見惚れていました。


いよいよ子どもたちの出番です。

重い杵を力いっぱいふりあげ、周りの掛け声に合わせてつきます。


出来あがったらつきたてあつあつのおもちを食べます。

「いただきます!!」

みんなで力を合わせてついたおもち。

そして、春から自分たちの手で育てた米でつくったおもちの味を、

一噛み一噛み味わって食べていました。


食べ終わったら、自分の使ったお椀を

米のとぎ汁で洗います。


とぎ汁に含まれるぬかがお椀の汚れを落としてくれるのです。

「おばあちゃんの知恵!って感じだね。」

「そうだね、昔のひとはどんなものでも無駄にはしなかったんだね。」



次回は、1月中旬に「お米づくりのふりかえり」を行います。

(梅垣レンジャー)

2017年12月22日金曜日

里山ミニ教室12月の報告&1月の告知

小峰ビジターセンターでは、
毎月第1日曜日に「里山ミニ教室」
というイベントを開催しています。

当日申込制で気軽に参加でき、
午前はガイドウォーク、午後はクラフトと、
それぞれの体験を通して、
四季折々の自然に触れることができるイベントです。


今回は、12月3日(日)に実施した里山ミニ教室の様子をご紹介します。


ガイドウォーク『晩秋の小峰公園ツアー』

当日は朝から晴天で、絶好のガイドウォーク日和となりました。

今回のテーマは「晩秋」ということで、
季節の移り変わりを身近に感じることができる
落葉や枯葉を解説素材として取り上げました。

まずは、ふれあい広場の様子を観察しました。
秋に紅葉し、冬にはすべての葉を落とす落葉樹と、
秋から冬の間も緑の葉を付け続けている常緑樹とを見比べ、
樹木の冬越しについて解説を行いました。



その後は桜尾根を歩きながら、より具体的な
晩秋の樹木の暮らしについて解説を行いました。

上の写真はヤマツツジの解説を行っているところです。
ヤマツツジはエネルギーを節約しながら
冬を越すための小さな越冬葉と
春から夏にかけて光合成を行う、大きな春葉を使い分けています。
最後は鮮やかに色づいた「メグスリノキ」について
解説を行いました。

その名前に「カエデ」という単語は入っていませんが、
実は、メグスリノキはカエデの仲間です。
名前を聞いただけでは分かりにくいですが、
実際に色づいた葉を観察すると実感できます。

ガイドウォークが終わった後も、
「メグスリノキが綺麗だった」
「また植物観察がしたい!」
と、参加者の皆さまもすっかり
植物のとりこになっていました。


クラフト『小峰のめぐみでリースをつくろう』

今回のクラフトでは、
自然素材を使った、クリスマスのリースづくり
を行いました。




まずはリースの本体づくりです。
太いつる(クズ)で輪をつくり、細いつる(テイカカズラ)を
巻きつけて形をととのえます。


赤い実や松ぼっくり、ドングリ、トウガラシにカラスウリの実…
会場の机には、リースの飾りとなる木の実がずらり!
里山の自然の恵みを活かすことで、リースがより華やかになります。

ホットボンドを使って、好きな飾りをリース本体につけていきます。
木の実だけではなく、小枝や稲わらなどの自然素材も使用することで、
リースのボリュームがどんどんアップ!


里山の自然のめぐみを使ったリースの完成です!
おうちの玄関などに飾って、素敵なクリスマスをお過ごしください。


※小峰公園内では動植物の採集をご遠慮いただいております。
 ご理解とご協力をお願いします。


次回の里山ミニ教室は1月7日(日)開催です。

ガイドウォーク『真冬の小峰公園を歩こう!


クラフト『小正月の飾りものづくり



 詳細は以下のURLをご覧ください。


http://komine-park.sakura.ne.jp/mini_class.html

来月も、皆さまのご参加をお待ちしております。

(宮嶋レンジャー)

2017年11月30日木曜日

里山ミニ教室11月の報告&12月の告知

小峰ビジターセンターでは、
毎月第1日曜日に「里山ミニ教室」
というイベントを開催しています。

当日申込制で気軽に参加でき、
午前はガイドウォーク、午後はクラフトと、
それぞれの体験を通して、
四季折々の自然に触れることができるイベントです。


今回は、11月5日(日)に実施した里山ミニ教室の様子をご紹介します。


ガイドウォーク『草木の実・たねであそぼう!』

秋晴れが気持ちよく、ガイドウォークにはもってこいの天気でした。

まずは、瓶の中に入った松ぼっくりを観察します。

松ぼっくりは瓶の口より大きいため、
そのままでは取り出すことはできません。


絶対に取りだせないことを参加者のみなさんで確認したのち、
瓶の中に水を注いで、しばらくそのままにしておきます。
ガイドウォークが終わるころには、どうなっているでしょうか?

瓶詰め松ぼっくりは一度頭の片隅に置いて、
様々な種子の観察をしに園内に入ります。

ふれあい広場に生えているオオバコの種を採集し、
霧吹きをかけます。
すると、ねばねばしたゼリー状の膜が種を覆いました。

オオバコの種皮には粘着性の物質が蓄えられており、
水を吸うとわずか数秒で大きく膨らみ、破裂します。
これが、前述のゼリー状の膜の正体です。


ねばねばした種は人の靴や動物の足の裏にくっつき、
より遠くの土地へと運ばれます。

種を観察した後は、オオバコ相撲で遊びました。
大人の参加者の方も、「童心に帰るようだね」「久しぶりにやると楽しい」
などと、オオバコ相撲を楽しんでいました。


ふれあい広場、杉の木広場で「くっつき虫」と呼ばれる
メナモミやキンミズヒキの種をくっつけあって遊びました。
その際、自分の服にくっついているそれらの種をじっくり観察しました。

ねばねばするもの、するどいトゲのあるもの、かぎ針状のもの。
さまざまな手法で人や動物にくっつき
種を運ぶ植物たちに、参加者のみなさんは驚いていたようです。


最後に、冒頭で紹介した松ぼっくりを瓶から取り出してみます。


なんと、取り出すことができました!
このマジックのタネは、マツの木の生態と関係があります。

鱗片(りんぺん)の間には羽根がついた種が入っており、
よく乾いた晴れの日にはそこから風に乗せて種を飛ばします。
一方、湿り気が多く種が飛びにくい雨の日には
松ぼっくりは鱗片を閉じるという仕組みを持っています。

この瓶づめ松ぼっくりは、その仕組みを利用したものです。

植物の実や種には、たくさんの驚きがつまっていました。

※小峰公園内では動植物の採集をご遠慮いただいております。
 ご理解とご協力をお願いします。

クラフト『あんぎん織りでコースターづくり』

今回のクラフトでは、
稲わらを使った「あんぎん織り」で
コースターづくりを行いました。

「あんぎん織り」という言葉を
聞き慣れない人も多いかもしれません。

かつて、五日市地域では
ススキを材料にしてつくった「あんぎん織り」を行い、
炭を入れる俵(たわら)をつくっていました。

今回の材料は稲わらと紐だけ。
シンプルですが、だからこそ腕が試されます。

よりきれいに織るにはどうしたらいいのか、
どうしたら自分なりの個性を出せるのか…

参加者の皆さんもいろいろ工夫しながら、
集中してクラフトに取り組んでいました。

かつて使われていた暮らしの知恵を借りて、
おしゃれなコースターができあがりました!


次回の里山ミニ教室は12月3日(日)開催です。

ガイドウォーク『晩秋の小峰公園ツアー


クラフト『小峰のめぐみでリースをつくろう



 詳細は以下のURLをご覧ください。


http://komine-park.sakura.ne.jp/mini_class.html

来月も、皆様のご参加をお待ちしております。

(梅垣レンジャー)

谷戸田の稲作(7)「脱穀・籾すり」


小峰ビジターセンターでは、年間を通して一連の稲作を体験し、

”つくって食べる”よろこびを味わうプログラム「谷戸田の稲作」を

小峰公園内の谷戸田にて行っています。


今回は、11月12日(日)に行われた「第7回 脱穀・籾すり」の

様子をご紹介します。


今年は、10月に2度も来た台風により、

谷戸田の稲作プログラムで稲刈りを行うことができませんでした。

それでも、皆さんが一生懸命つくった、イノシシ除けの鳴子や案山子のお陰で、

稲を無事に収穫することができました。


収穫した稲をはさ掛け台から外し、脱穀作業を行いました。

まずは、「扱きばし」を使った脱穀です。

半分に割った竹の間に稲をはさみ、しごくようにして籾をはずします。


次は、「千歯こき」と「足踏式脱穀機」を使って脱穀を行いました。



脱穀技術の進歩とともに作業効率が上がることが実感でき、

参加者の皆さんも驚いていたようです。


脱穀した籾は、わらくずも混じっているので、

このままでは籾すり、精米ができません。

「唐箕(とうみ)」という道具を使い、籾とわらくずを選別します。

レバーを回すと風がおこり、風の力を利用して選別します。


多くの参加者が夢中になってレバーを回し、風をおこしていました。


最後は、すり鉢とボールなどを使用し、

簡易的な籾すり、精米を行い、脱穀した籾が白米へと変わっていく様子を観察しました。


「お米が白くなってきたよ!」

「あー、はやくたべたい!」



次回は、12月中旬に「おいしいお米を食べよう」を行います。

(梅垣レンジャー)

2017年11月6日月曜日

「収穫市」を開催します!


11月19日(日)、里山の恵みに感謝をこめて、
「小峰ふれあい自然郷 収穫市」を行います。

※以下の写真は昨年度の収穫市(2016年11月)の様子です。















地元・留原地区で収穫された野菜の実費販売や、
自然素材を使ったクラフト体験などを予定しています。

























開催概要は、以下の通りです。※小雨決行(荒天中止)


【日時】2017年11月19日(日)9:30~ ※品切れ次第終了

【会場】都立小峰公園 小峰ビジターセンター駐車場

【内容(予定)】
・地元の農産物実費販売
・稲の脱穀&稲ワラぼうきづくり体験
・小峰公園ボランティアPR


皆様のお越しを、お待ちしております。


(伊藤レンジャー)

2017年10月17日火曜日

里山ミニ教室10月の報告&11月の告知


小峰ビジターセンターでは、
毎月第1日曜日に「里山ミニ教室」
というイベントを開催しています。

当日申込制で気軽に参加でき、
午前はガイドウォーク、午後はクラフトと、
それぞれの体験を通して、
四季折々の自然に触れることができるイベントです。


今回は、10月1日(日)に実施した里山ミニ教室の様子をご紹介します。

ガイドウォーク『秋の小峰公園を歩こう!』

気持ちの良い晴天のなか、岸レンジャーと秋探しに出発です!


雑木林では、クリやドングリ、野菊の仲間など、
秋ならではの自然をじっくり観察しました。

谷戸田のまわりでは、草むらにひそむ秋の生きものを
参加者の皆さんと一緒に探しました。

草むらでは、たくさんのイナゴを発見!
収穫を間近に控えた田んぼの稲をねらって、集まってきたようです。

観察した後は、元いた場所に戻してあげました。

※小峰公園内では動植物の採集をご遠慮いただいております。
 ご理解とご協力をお願いします。


木々はまだ緑色でしたが、さまざまな秋を見つけることができました。
これから移りゆく景色が楽しみですね。


クラフト『ねんりんマグネットづくり』

今回のクラフトは、「ねんりん」の模様が特徴的な
マグネットづくりでした。


まずは、鈴木レンジャーから工作手順の説明を受けました。
いざ手を動かしはじめると、子どもたちは真剣な顔つきに。
すっかり作業に集中し、みんな無口になってしまいました。

最後に、完成した「ねんりんマグネット」を飾ってみました。
きれいにできたかな?

皆さんの手でかっこよく仕上がった「ねんりんマグネット」ですが
実は、台風で流されてしまった木からつくられたものなのです。

一度は死んでしまった木も、人間の手で美しく復活するのですね。


次回の里山ミニ教室は11月5日(日)開催です。

ガイドウォーク『草木の実・たねであそぼう!


クラフト『あんぎん織りでコースターづくり



 詳細は以下のURLをご覧ください。


http://komine-park.sakura.ne.jp/mini_class.html

来月も、皆様のご参加をお待ちしております。

(楜澤レンジャー)



2017年10月12日木曜日

谷戸田の稲作(5)「鳴子づくり・案山子づくり」


小峰ビジターセンターでは、年間を通して一連の稲作を体験し、

”つくって食べる”よろこびを味わうプログラム「谷戸田の稲作」を

小峰公園内の谷戸田にて行っています。


今回は、9月23日(土)に行われた「第5回 鳴子づくり・案山子づくり」の

様子をご紹介します。



始めに、みんなで谷戸田の観察をしました。

7月に、草取りなどの手入れを行ってから、稲はぐんぐん成長し、

気がつけば黄色い稲穂が首を垂れています。


そうなれば、心配なのはイノシシ。

なんと、一週間前の台風18号の襲来時に谷戸田の周りにも現れていたようです。

田んぼの端の稲がかじられていたり、あぜに足跡がありました。

その時の食害の痕も観察しました。



イノシシが道の端を歩いた跡や、稲を食べた痕を見て、ある答えにたどり着きます。


「なんだか、おそるおそる歩いているように見えるね」

「イノシシって怖がりなんじゃないの?」

「ということは、こっちの様子をよく観察してるかもしれないね」

「それなら、イノシシがびっくりするような”鳴子”と、

人に似せた”案山子”をつくって、おどろかそう!」


早速、材料からイメージをふくらませ、家族で一つの鳴子をつくります。

「かっこいいのをつくりたい!」

「じゃあ何が必要か考えてみよう!」

手だけではなく、頭も働かせます。


のこぎりやピンバイス、使い慣れない道具を手に

夢中になって作業をしました。



午後は、案山子づくりを行いました。
 
各家庭から持参した古着を着せ、
 
その中に藁や新聞紙を入れ、人間に似せていきます。
 
 最後に、案山子の顔を描いたら完成です。
 
「イケメンに描いてくれよ~」
 
なんて声が聞こえてきそうですね。
 
ウィッグをつけて、可愛く仕上げたご家族も。
 
 
「私たちのお米をどうか守ってください。」
 
と願いを込めて、みんなで鳴子と案山子を谷戸田に設置しました。
 
 
 
次回は、10月下旬に「稲刈り」を行います。
 
(梅垣レンジャー)
 
 

2017年9月30日土曜日

「里山の生きもの調査隊」結果報告

9月24日(日)、小峰公園で
「里山の生きもの調査隊
~赤トンボを知ると、里山がわかる!?~」
を開催しました。

調査をする前に、まずは小峰公園の紹介から。

午前中は、小峰公園が行っている、
「人と生きものが、共に暮らすことができる
“里山”の環境を保全する取り組み」
についてお話ししました。

午後からは、春にトンボの幼虫が暮らしている谷戸田や、
秋に赤トンボが飛びまわる草地の広場といった、
赤トンボの季節ごとの生活場所をめぐり、
赤トンボの成長には里山のさまざまな環境が欠かせない
ということを学びました。


その後は、いよいよ調査本番です。
赤トンボを探す参加者の姿は真剣そのもの。

見つけた赤トンボは
「何という種類なのか」と
「どこにいたのか」を記録しました。

今回の調査の結果、
・谷戸田でナツアカネが1匹
・ふれあい広場でミヤマアカネが3匹
計2種類4匹の赤トンボが確認されました。

調査のあとは、赤トンボを元いた場所に放しました。


里山のさまざまな環境を使って
暮らしている赤トンボたち。

これからもたくさんの赤トンボが見られるよう、
里山の環境を大切に守っていきたいですね。


※小峰公園内では、動植物の採集はご遠慮いただいております。
ご理解ご協力のほどよろしくお願いいたします。


(宮嶋レンジャー)