里山尾根の端は、
小峰公園で最も高い場所。
そこから桜尾根へ続く階段で、
こんな生きものを見つけました。
動きは少ないですが、これも立派な生きものです。
何もないところから生えてきたように思えますが、
じつはずっと地面の下で、束ねた糸のような姿の「菌糸」として
生活していました。
突き破って伸びています。
まるで、卵からキノコが生まれたように見えますね。
そのような理由から、
このキノコは「タマゴタケ」と呼ばれています。
樹木が光合成をしてつくった炭水化物を吸収します。
ですが、菌糸は一方的に栄養分を受け取るだけではなく
水分や栄養分を吸収し、樹木の根に渡す…
といった役割も担っています。
これは、お互いに利益を与えあう「ギブ&テイク」
と例えることができるでしょう。
このような関係性を「共生」といいます。
菌糸と樹木の共生があってこそですね。
なにより、人通りがある階段でも
踏まれずにここまで大きく成長できたなんて…
この階段を行き来する人々の、
足元の小さな生きものに対する
思いやりを感じました。
(宮嶋レンジャー)
※今回使用した写真は2017年8月20日に撮影されたものです。
現在の状況とは異なる場合がございます。