2010年10月6日水曜日

ナンバンギセルと秋の風

 ずいぶん涼しくなったなあ と思っていたら、いつの間にかもう10月。
食欲の秋、運動の秋、そして自然の中で遊ぶにも秋は最適な季節です。
暑さが落ち着き、秋の風が吹き始めると、小峰公園もハイキング目的のお客様が増えてきました。
 今日は、そんなお客様に
「ナンバンギセルはどこに咲いているの?」
と尋ねられました。

 そこでご紹介したのはこの場所。

  ビジターセンターの玄関のすぐ脇のススキの根元です。
 ススキの葉をどけて見ると、こんなお花がお目見えします。
この場所では9月の頭から咲き始め、まだ花が見られます。

 ただ今回ご紹介したいのは、お花ではなく、花のあと。
9月に花を咲かせていた株は、ピンクの花びらがしおれ、ぷっくり丸くふくらんでいます。

  その丸い部分をよ~く見てみると、はちきれて中から黄色い粉のようなものが出ています。
ゆびでつつくと、パラパラとこぼれ出ます。
 色は花粉みたい。でも花は終わったのに花粉が出るはずはありません。
 
  じつはこれ、ナンバンギセルのタネ!
とても小さいですが、ひとつひとつがタネ(専門的に言うと種子)です。うまくいけばこの一粒から発芽をします。
今日は雨でしっとりぬれていましたが、お天気がよくて乾燥してくるとサラサラと秋風に飛ばされて運ばれます。

ナンバンギセルは、タネを極限まで軽く小さくして、風を味方につけているのですね!




* ナンバンギセル (漢字名 南蛮煙管) ハマウツボ科 
 
 ススキやミョウガなどの根に寄生する寄生植物。
 光合成をせず、寄生主から栄養をすいとり成長する。
葉は退化し、秋になると地面から花芽がのびてきて花
を咲かせる。
 小峰公園では9月~10月にかけて園内各所で見られる。
 名の由来は、外国のキセル=マドロスパイプに形が似て
いることから。



村上レンジャー