2018年3月19日月曜日

里山ミニ教室3月の報告

小峰ビジターセンターでは、
毎月第1日曜日に「里山ミニ教室」
というイベントを開催しています。
※平成30年度3月をもちまして、里山ミニ教室は終了となりました。

当日申込制で気軽に参加でき、
午前はガイドウォーク、午後はクラフトと、
それぞれの体験を通して、
四季折々の自然に触れることができるイベントです。


今回は、3月4日(日)に実施した里山ミニ教室の様子をご紹介します。

ガイドウォーク『小峰の冬芽探検隊』

道端に野草の花がみられるようになってきましたが、
樹木の多くは、まだ芽を閉じたままです。
冬の間、樹木はどのように過ごしているのか?
今回のガイドウォークは、小峰公園で活動する
ボランティアのメンバーが、冬芽の観察を通じて、
樹木の「冬の暮らし」を紹介しました。




まずはサクラの冬芽を観察しました。
ビジターセンターの駐車場の脇には、
3種類のサクラが並んで植えられています。
(ヤマザクラ、ソメイヨシノ、オオシマザクラ)
虫眼鏡で、枝の先をよ~く観察してみると…



これがサクラ(オオシマザクラ)の冬芽です!
このぷっくり膨らんだ芽の中には、まだ未発達の花や葉が入っています。
鱗片という、「魚の鱗」のようなものに覆われていることから、
「鱗芽(りんが)」と呼ばれています。



ふれあい広場では、コブシの冬芽を観察しました。
少し離れた場所から観察しても、表面が毛で覆われて
いることがわかります。



実際に手でふれて、毛の質感を楽しんだり、
冬芽(花芽)を分解することで、中に花が折りたたまれている
様子が確認できたり、香りを楽しむこともできました。



里山尾根で観察したトチノキの冬芽は、とても個性的でした。
実際に参加者が触れてみると…「うわぁ~ベトベト~」



なぜなら冬芽の表面が、水あめのように粘りのある
樹脂に覆われているからです。
このベトベトした樹脂は、昆虫などを寄せつけない
効果があるそうです。

冬芽のさまざまな形や生活スタイルは、
長い冬の厳しい寒さや乾燥、そして外敵などから
身を守るためのものだと考えられています。

普段は、目にすることのない樹木の暮らしにふれ、
参加者にとっては、新しい発見の連続だったようです。

※小峰公園内では動植物の採集をご遠慮いただいております。
 ご理解とご協力をお願いします。

(畑田レンジャー)


クラフト『春よ来い!ウグイス笛をつくろう』

3月を迎えた小峰公園では、
ウメの花が見ごろになりました。

梅林の中では、メジロやシジュウカラといった
小鳥たちが軽やかに飛び回っています。

そんな鳥たちの中でも、「梅と鶯(ウグイス)」は
春本番を思わせる季節の風物詩として、
イラストなどでもよく見かける組み合わせです。



(イラスト:宮嶋レンジャー)

現代では、ウグイスの鳴き声は
「ホー、ホケキョ」と例えられていますが、
平安時代(約1200年前)には
「ウー、クイス」と聞き取られていました。

このように、ウグイスの鳴き声は
時代とともに聞こえ方も変わってきました。
今回のウグイス笛は、
どのような鳴き声に聞こえるのでしょうか?


まずは、ささくれを残さないように
笛の本体になる篠竹を紙やすりできれいに磨きます。

続いて、篠竹の中心に穴を開けます。

そこへストローで息を吹き込むと、
空気の流れが筒の上下に分かれます。

それにより、篠竹の中の空気が振動することで、
鳥の鳴き声のような音が鳴るというしくみです。
 
 
最後に篠竹のかけらで翼やクチバシの飾りを取り付ければ、
オリジナルウグイス笛の完成です!
 
 
音は写真に残せないことが残念ですが、
透き通った笛の音は、美しいウグイスのような音色でした。
 
 
※小峰公園内では、テープレコーダーや鳥笛といった、
音の出る道具を用いた野鳥観察をご遠慮いただいております。

野生動物の生活を尊重し、驚かさずに観察していただきますよう、
ご理解・ご協力のほどよろしくお願いいたします。


(宮嶋レンジャー)