2011年9月2日金曜日

変なヒグラシ ~その3~

林レンジャーが報告した、ヒグラシに寄生するガの話の続きです。
小学生が夏休みの宿題に追われていたおとといの8月31日、
ついにさなぎが羽化しました! でてきた成虫がこちら↓


















セミヤドリガ(セミヤドリガ科)

大きさは1センチにも満たない、小さな小さなガ。
しかも色も黒くて地味~な感じ。……期待はずれでしたか?

でも、短命のセミに寄生するという戦略を選んだ以上、
いかにすばやく成長するかが、この種にとって重要だったはず。
だとすると、やはり体を大きくするべきではなかったのでしょう。

さらにこのガには口吻がなく、つまり成虫になってからは餌も摂らずに
生殖のためだけに生き、ものの数日間で一生を終えてしまいます。
しかも「処女生殖」、つまりメスだけで子供を産むことができ、
事実ほとんどの成虫がメスであり、オスはごく稀にしか見つからないそうです。

これらを考えると、「いかにすばやく成長し、生殖するか」という一点のみを
突き詰めて進化してきた結果が、このガの小さな体に詰まっているように思えます。


















たまにはそんな見方で自然観察してみるのも、面白いかも知れません。

谷本レンジャー