毎月第1日曜日に「里山ミニ教室」
というイベントを開催しています。
当日申込制で気軽に参加でき、
午前はガイドウォーク、午後はクラフトと、
それぞれの体験を通して、
四季折々の自然に触れることができるイベントです。
今回は、11月5日(日)に実施した里山ミニ教室の様子をご紹介します。
ガイドウォーク『草木の実・たねであそぼう!』
秋晴れが気持ちよく、ガイドウォークにはもってこいの天気でした。
まずは、瓶の中に入った松ぼっくりを観察します。
松ぼっくりは瓶の口より大きいため、
そのままでは取り出すことはできません。
絶対に取りだせないことを参加者のみなさんで確認したのち、瓶の中に水を注いで、しばらくそのままにしておきます。
ガイドウォークが終わるころには、どうなっているでしょうか?
瓶詰め松ぼっくりは一度頭の片隅に置いて、
様々な種子の観察をしに園内に入ります。
ふれあい広場に生えているオオバコの種を採集し、
霧吹きをかけます。
すると、ねばねばしたゼリー状の膜が種を覆いました。
オオバコの種皮には粘着性の物質が蓄えられており、
水を吸うとわずか数秒で大きく膨らみ、破裂します。
これが、前述のゼリー状の膜の正体です。
ねばねばした種は人の靴や動物の足の裏にくっつき、より遠くの土地へと運ばれます。
種を観察した後は、オオバコ相撲で遊びました。
大人の参加者の方も、「童心に帰るようだね」「久しぶりにやると楽しい」
などと、オオバコ相撲を楽しんでいました。
ふれあい広場、杉の木広場で「くっつき虫」と呼ばれるメナモミやキンミズヒキの種をくっつけあって遊びました。
その際、自分の服にくっついているそれらの種をじっくり観察しました。
ねばねばするもの、するどいトゲのあるもの、かぎ針状のもの。
さまざまな手法で人や動物にくっつき
種を運ぶ植物たちに、参加者のみなさんは驚いていたようです。
最後に、冒頭で紹介した松ぼっくりを瓶から取り出してみます。
このマジックのタネは、マツの木の生態と関係があります。
鱗片(りんぺん)の間には羽根がついた種が入っており、
よく乾いた晴れの日にはそこから風に乗せて種を飛ばします。
一方、湿り気が多く種が飛びにくい雨の日には
松ぼっくりは鱗片を閉じるという仕組みを持っています。
この瓶づめ松ぼっくりは、その仕組みを利用したものです。
植物の実や種には、たくさんの驚きがつまっていました。
※小峰公園内では動植物の採集をご遠慮いただいております。
ご理解とご協力をお願いします。
クラフト『あんぎん織りでコースターづくり』
今回のクラフトでは、
稲わらを使った「あんぎん織り」で
コースターづくりを行いました。
「あんぎん織り」という言葉を
聞き慣れない人も多いかもしれません。かつて、五日市地域では
ススキを材料にしてつくった「あんぎん織り」を行い、
炭を入れる俵(たわら)をつくっていました。
今回の材料は稲わらと紐だけ。
シンプルですが、だからこそ腕が試されます。
よりきれいに織るにはどうしたらいいのか、
どうしたら自分なりの個性を出せるのか…
参加者の皆さんもいろいろ工夫しながら、
集中してクラフトに取り組んでいました。
かつて使われていた暮らしの知恵を借りて、
おしゃれなコースターができあがりました!
次回の里山ミニ教室は12月3日(日)開催です。
ガイドウォーク『晩秋の小峰公園ツアー
クラフト『小峰のめぐみでリースをつくろう
詳細は以下のURLをご覧ください。
http://komine-park.sakura.ne.jp/mini_class.html
来月も、皆様のご参加をお待ちしております。
(梅垣レンジャー)