2012年3月1日木曜日

野鳥への餌付けについて

最近、園内で見られる野鳥のある個体の様子に異変を感じています。
人が近づいても逃げないのです。
むしろ、近づいてくるようにも感じます。
「餌付けされているのでは?」とレンジャーの間でそのような推測の意見がでました。
本当の事はわかりませんが、このような事は色々な場所で問題になっています。
そこで今回は餌付けについて少し書きたいと思います。

野鳥に餌付けすることで、野鳥観察が簡単にできますが、たくさんの問題が危ぶまれます。

・人間への依存により、自ら食物を採らなくなる。
・警戒心が希薄することで天敵に捕食されやすくなる。
・過食による栄養過多、肥満による飛行への支障。
・食物が容易に採れるため、渡りの時期が遅れる。また、渡らなくなる。
・特定の種の増加によって、生態系のバランスが崩れる。

などなど、様々な事が考えられます。
野鳥を観察することは、なかなか観れなかったり、見つけられなかったり、タイミングが悪かったり、と難しい面もたくさんあります。しかし、鳥が見られない事、鳥が居ない事も、自然の事象であって、そこにも自然の面白さを見いだす事ができるかと思います。
野生生物の姿、形、すべてに意味があると言われているのと同様、動物の行動にも意味があると言われています。人から、餌をもらいにきた野鳥より、自然のまま現れた野鳥の方が美しいことでしょう。
小峰公園は動植物のより自然らしい姿を、皆さまに楽しんでいただきたいと思っています。
餌付けなどの行為は決して行わないで下さい。
もし、そのような方を見かけましたらビジターセンター職員までお知らせ下さい。
ご理解、ご協力のほどよろしくお願いいたします。

小峰ビジターセンター