2014年7月28日月曜日

勇気ある撤退


北陸・東北地方の梅雨明け発表があり、
これで日本全国が 夏本番となりました。

あきる野・五日市でも梅雨明け以降 暑い日がつづき、
夏色がますます濃くなっています。




そんな 暑く夏色の濃い昨日 7月27日(日)、
小峰公園近くを流れる 秋川をフィールドに、公募行事を催しました。


“ 里山暮らし体験  昔ながらの魚釣り! ”


「自分で釣竿を作り  エサを捕まえ  魚釣りを楽しむ」  をコンセプトに、
昔の里山の子どもたちと同じように、
素朴な夏の遊びを体験するという企画です。

小学3年生の子どもから 70代のむかし子どもだった方まで、
幅広い年齢層の参加者で催行されました。




まずは釣り道具作りからスタート。

小峰公園内で篠竹を切り出し オリジナル釣竿を作ります。
その釣竿に細い糸と小さな釣り針をつけて仕掛けは完成!
ウキもオモリも なーんにも付けません。

こんな簡素な道具で 本当に魚が釣れるのか、
参加者は半信半疑の心持ちです。





午後からは秋川へ移動して 実際に釣りをやってみました。


釣り方は多摩地方で 昔から行われてきた伝統の“あんま釣り”。
浅い流れに立ち入って エサを流して 魚を誘い釣る方法です。

参加者は川底にいる川虫を捕まえて 釣り針に付け、
釣竿を前後に動かしながら 魚が食いつくのを待ちます。

やがて辺りから 「釣れたーッ!」 の声が 次々と聞こえ出しました。



ほらね、本当に釣れたでしょッ!
昔の子どもたちは皆、こうやって釣りを楽しんだんだよ。





オイカワやウグイ、カワムツなどの小魚のほか、
15㎝くらいの若アユまで釣れました。

釣りあげられた魚たちは 水槽に入れて観賞。
ちょっとした 秋川水族館 の感じです。



そうこうしているうちに 辺りは黒い雲で覆われ、
雷鳴がとどろき 稲光の閃光が走るように・・・


 さぁ、帰ろう!


子どもたちは 非常に残念がっていましたが、
今回の魚釣りは ここで終了です。





解散後、 親子で参加された あるお父様から、
スタッフに声をかけていただきました。


「昔ながらの魚釣りを 子どもはとても楽しんでいました」

そして・・・

「子どもに勇気ある撤退を経験させていただき、ありがとうございました」  と。



自然の中で過ごす時間は、いつも楽しさと危険が隣り合わせ。
その危険を見極めるチカラ、その恵を享受する術を伝えてゆくことも、
わたしたちレンジャーの仕事なのかもしれません。




 鈴木 レンジャー (たか)